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県立大生「主体性持って投票を」

2022年6月24日
アンケート結果を受け、意見を交わす山梨県立大の学生=県立大飯田キャンパス

アンケート結果を受け、意見を交わす山梨県立大の学生=県立大飯田キャンパス

どうすれば若者の足は投票所に向かうのか、議論は若者の選挙離れにも及んだ=県立大飯田キャンパス

どうすれば若者の足は投票所に向かうのか、議論は若者の選挙離れにも及んだ=県立大飯田キャンパス

 どうすれば、若者の足は投票所に向かうのか―。7月10日投開票の参院選について、山梨日日新聞と山梨県立大は県立大生にアンケートを実施。結果を受け、調査に当たった県立大生が意見を交わした。〈相沢光〉

 アンケートでは2019年の前回参院選で投票したかも聞いた。「投票した」と回答した学生の4割近くが、その理由を「親、兄弟や友人が行っていたから」とし、「当選してほしい政党や候補者がいたから」は1割に満たなかった。
 この結果に、国際政策学部1年の松嶋果鈴さん(18)は「自分の意思で投票に行く人が少なく、周りに流されて行く人が多い。本当に政治を変えたいとか、そういった人が同年代には少ないと感じた」と感想。国際政策学部2年の望月結菜さん(19)は、政党や候補者の訴えを知らないまま投票している人が少なくないのではないかと推測し、「情報を仕入れないまま投票するのは怖い」と懸念した。
 アンケートでは、住民票を登録している市町村と、現在住んでいる市町村が違うことが「投票のネックになっている」との回答も相次いだ。国際政策学部2年の吉田蒼衣さん(19)も大学入学に伴い、静岡から山梨に引っ越したが、住民票を移していない。不在者投票制度を利用すれば、帰省しなくても投票できるものの、「山梨の情報は入ってくるが、静岡の情報は入ってこない。地元の候補者は長く議員をしている人ぐらいしか分からない」と明かす。

アンテナ
 今回の参院選で投票するかについて、アンケートでは7割の学生が「投票する」と回答。前回参院選の10代、20代の投票率と比べて40ポイントほど高いという結果が出た。
 ただ、望月さんはこの結果に懐疑的な見方を示す。7月に行われるのが何の選挙か知らない学生が8割いるというアンケート結果を挙げ、「本当に投票に行くかは疑問。しかし選挙に行く意思は大切にしなきゃいけない」。ユーチューブなどで演説の動画を流すなど、若者が情報を手に入れやすくするよう提案した。
 投票の際、決め手となることについて、アンケートで3割の学生が「人柄」とした。望月さんは「サークル活動の中で県議と話したことがあるが、意外と話しやすかった。候補者と気軽に話せる機会があったら良い」と指摘。吉田さんも「立候補者に気軽に質問できたり、反応があったりするシステムがあれば、人柄を知ることができると思う」と応じた。
 今回の参院選は早くから22日公示、7月10日投開票の見通しと報道で伝えられていた。日程は15日に決定したが、「きょう参加している3人とも知らなかった。知らない人は、ずっと知らないのではないか」(望月さん)。
 望月さんは普段、テレビでニュース番組を見る機会が少なく、吉田さんもテレビはもっぱらユーチューブを見ることに使っているという。望月さんは「自分でアンテナを張らないと情報が手に入らない」と話し、主体的に選挙に関する情報を入手する姿勢が必要とした。
 議論は若者の選挙離れにも及んだ。松嶋さんは投票率だけに目がいくことに疑問を示し、「(政党や候補者のことを)よく分からず投票するのは良くない」と指摘。「政治家が身の回りの問題を解決してくれるかどうか分からないから、誰が当選しても変わらないと思ってしまう」と主張した。
 吉田さんは「友達が投票に行ったと聞くと、『行ったんだ、すごい』という気持ちになる。それほど意識が低いのかもしれない。選挙が身近にあるという感覚がない」と吐露する。

意識変化
 意見を交わしていくうち、学生の意識にも変化が出てきた。最初のころは学生自らアンテナを張らないと情報が得られないことを批判的に捉えていた、という望月さんは「よく考えると自らアンテナを張ることが当たり前なのではないか」と考えを改める。「投票をもっと手軽にできるようにしてよ、と思っていたが、民主主義なんだから『こっち(若者)が行けよ』ということでは」と話す。
 吉田さんもこれまでは周りから投票に行くよう言われることに抵抗感があったが、同世代の人と選挙について話すことで「行かなきゃ」と思うようになったという。「アンケートについて考察すると、自分も含めて選挙に対する意識が低いことが分かった。(選挙の)情報をくれれば行くというスタンスは良くない。自分から情報を得ないといけないと思うようになった」と締めくくった。