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<39>禁止の遊び どう対応

2021年11月10日
自主的な注意が期待されている?

自主的な注意が期待されている?

子が納得するルールを

 娘が利用する学童保育で「鬼滅の刃ごっこ」が禁止されています。けがをしないように、という理由のようです。娘はそのルールを守っていますが、周囲の友だちはこっそりやっているそうです。娘はやらないように注意して、友だちから疎んじられて嫌な思いをしています。どう対応したらいいでしょうか。

  このケースは学童保育の管理体制に問題があるかもしれません。
 子どもたちの集団を運営するとき、何らかのルールが必要なのは当然です。適切なルールは、(1)子どもたちの安全と安心を守ること(2)子どもの権利を不当に抑圧しないこと(3)子どもの理解力で納得して守れるルールであること(4)もしルールを破った子どもがいても大人が責任をもって対応すること-などが保障されなければなりません。「鬼滅の刃ごっこ禁止」というルールは、これらの条件が十分には満たされていないかもしれません。
 そもそも鬼滅の刃ごっこは、本当に危険なのでしょうか? 「鬼滅の刃」はいま子どもたちに大人気ですので、同じくらい危険な他の遊びは許されて鬼滅の刃ごっこだけが禁止されれば、子どもたちは納得できません。本当に危険なのであれば、子どもがこっそりやるようなスキを大人が見せてはなりません。子どもが簡単にルールを破れるのであれば、その学童保育が子どもを危険から守れていないことを意味します。
 ルールをよく守る子が、ルール違反する子に自主的に注意してくれるのを期待しているように見えるのも問題です。子どもたちの分断を招くからです。この学童保育で気になるのは、ルールを守る子が少数で、こっそりルール違反している子の方が多そうな点です。ルールを守る子が多数の子から疎んじられているのを黙認しているのだとすると、それはいじめが発生しやすい状況をわざとつくり、いじめを黙認するという、人として最も卑劣なことをしていることになります。
 大人の世界では、杓子定規にルールを守りすぎると角が立つため、多少の融通を利かせる場面があるかもしれません。でも小学生にそのようなことを教えるべきではありません。子どものうちは、まずは納得できるルールをしっかり守る習慣を教えることが大事です。
 本当に危ないのであれば子どもたちが納得できるように説明し、子どもたちがこっそりルールを破ることがないように留意するべきです。逆に、鬼滅の刃ごっこがそれほど危険でないのであれば、このルールを撤廃する方がよいかもしれません。(本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

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「実践! ドクター本田のにじいろ子育て」は第2、4水曜日に掲載します。