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キャンプでの実体験を映像に

2021年10月10日 0時00分
京極義昭監督

京極義昭監督

 ―『ゆるキャン△』への思いを教えてください。
 「新しい作品の作り方を教えてもらったと思っています。それまでは、自分の中にあるものを足掛かりに想像を膨らませて、キャラクターのドラマ、感情を演出していくことが多かったんです。でも、『ゆるキャン△』はそれだけではできませんでした。キャンプ場で見る景色、食べるご飯といった体験が、単なる背景ではなく、キャラクターのドラマにも大きく関わっていると感じたためです。そこで、山梨を中心にロケハンから始めたんです。キャンプにも山梨にも縁がなかったので、初めての経験ばかりでした。実際にテントを立てたり、ご飯を作ったりすると新鮮な驚きがたくさんあり、キャラクターと同じ場所に立つと『この景色で、なでしこやリンたちはキャンプが好きになったんだ』という実感が得られました。自分の引き出しだけではなく、新しい経験をどんどんして、それをそのまま映像に落とし込んでいく。こんな作り方があったのかと作品に教えてもらいました。山梨とキャンプに出合わせてもらえたことにも感謝しています」

 ―映画はどのような作品になりますか。
 「楽しみにしてもらいたいので詳しくは話せませんが、新しいテーマを盛り込みたいというのはあります。もちろん原作を基にして、『ゆるキャン△』が持つ軸はぶらさずにです。ただ、これはアニメシリーズから続けてきたことでもあります。同じものをずっと見ていたいという方の気持ちは分かるのですが、『ゆるキャン△』ってこうだよねということを僕らが限定してはいけないと思うんです。『ゆるキャン△』にはもっと奥行きがあって、それを広げていくのが作品をお預かりしている僕らの役目なんじゃないかと考えています。ですので、映画は単なるテレビの続きではなくて、今までのファンも楽しめて、映画からのファンも生まれる、新しい物語を作っていきたいと思っています」

 ―1年以上の準備期間を設けて作られたアニメシリーズは、原作ファンからも「原作愛や理解がある」と好評でした。
「映画でも、あfろ先生に企画当初の段階からご相談させていただき、テレビシリーズ同様にしっかりとチェックもしていただいています。あfろ先生にデザインを起こしていただくことも多いです。細かい部分まで、あfろ先生のイメージするものと齟齬(そご)がないように、という作り方を心掛けています」

 ―コロナ禍で、アニメや映画が果たす役割をどのようにお考えですか。
 「アニメや映画というエンターテインメントは、なくても良いものだと思っているんです。要するに、食べることや寝ることと違い、生きることの必需品ではないというか。でも、作品を見ることで癒やされたり、元気づけられたりっていう経験は僕自身にもありました。そうしたものになり得るのが、エンターテインメントの魅力だなと思っています。今はコロナ禍で気分が沈む場面が増えて、エンターテインメントの持っている意義とか役割っていうものは小さくないなと感じています」

 ―山梨の印象は。
「中央道を毎週のように走って、それこそ〝通って〟いました。山梨は景色が良いし、ご飯もおいしい。何より関わる人が皆さん温かい。なんて素敵な場所だろうと思って、『第2のホーム』のような親近感があります。それと富士山。山梨に入ると大きな姿にいつも感動します。以前から好きではありましたが、大好きになっちゃいましたね。それと、個人的には今、シャインマスカットにはまっています。近所のスーパーにも置いてあって、なるべく山梨県産を選ぶようにしていますよ(笑)。 桃もおいしいですね。作品でお世話になっている方が時季になると送ってくれて、これがまぁ大きくて、本当においしい!」

 ―ファンにメッセージを。
 「僕らも作品の一ファンとしてスタートしているので、楽しんで制作していきたいですし、ファンの方には作品を楽しんでいただけるとうれしいです。また、新型コロナが落ち着きましたら、山梨にたくさん行っていただいて、みのぶまんじゅうをたくさん買っていただきたいですね(笑)」