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<36>発達の遅れが心配

2021年9月22日
発達のしかたは人それぞれ

発達のしかたは人それぞれ

個性に合わせた育児を

 Q  2歳の女の子の母親です。子どもは言葉の発達が遅く、まだ「ママ」「パパ」などと言いません。でも、子ども向けの歌は好きで、発音ははっきりしませんが身ぶりをつけながら歌のようなものを口ずさみます。保育園は大好きですが、集団遊びのときは1人で別行動をすることが多いようです。発達の遅れが心配です。特別な療育を受けるべきでしょうか?

 A  乳幼児期の子どもの身体と心は、ある程度標準的なスピードと順序で成長・発達していくと考えられています。でも、これは多くの子どもがそうだということであって、すべての子どもが同じスピード、同じ順序で発達するわけではありません。個人差は必ずあります。
 発達のしかたについて研究する発達心理学では、たくさんの人数で調査をして集計をとります。「○歳で○○ができるようになる」といった情報は、最も人数の多い平均値や中間値のデータです。それより早い子どもも遅い子どももいますし、違う順序で発達する子どもも必ずいます。
 ところが、こうした知識が育児情報として本やインターネットで取り上げられると、「○歳までに○○ができるように育てなければならない」といった親へのノルマのように受け取られがちです。わが子がそれをクリアしないと親が不安になり、焦って子どもを叱り過ぎるなどの悪影響が出ることもあります。
 育児では、むしろ発達の多様性の方が重要です。発達のしかたが多様であれば、育て方も多様でなければなりません。
 質問された方のお子さんの発達のしかたは、たしかに平均値・中間値ではないでしょう。この場合、言葉やコミュニケーションの教え方や生活習慣の覚えさせ方などについて、一般の育児情報ではお子さんの個性に合わないところが出てくるかもしれません。私たちが開発したスマートフォン用無料アプリ「TOIRO」は、そのようなお子さんの保護者や保育園・幼稚園の先生方を対象に、多様な発達のしかたに対応した個性的な子育てのヒントを載せています。よろしければご覧ください。
 知的障害や発達障害のある子どもに対して行われる療育の場合、子どもの個性に合わせた育児をより専門的に行います。ご関心があれば、お住まいの自治体の子育て支援の部署に問い合わせてみてください。療育はあくまでお子さんの個性に合わせることが目的なので、平均値・中間値をノルマにして焦ることは禁物です。親が子どもの発達のしかたをよく理解し、子どもが安心して楽しく生活できる環境をつくっておくことが最も重要です。(本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

 本田秀夫さんに聞きたい子育ての悩みや質問を受け付けます。住所、氏名、年齢、職業を明記し、郵便番号400-8515、甲府市北口2の6の10、山梨日日新聞社文化・くらし報道部「にじいろ子育て」係まで。ファクス055(231)3161、メールseikatu@sannichi.co.jp、「さんにち生活」のLINEアカウント(QRコードを読み込んで友だち登録する)でも受け付けます。紙上匿名。採用されない場合もあります。

「実践! ドクター本田のにじいろ子育て」は第2、4水曜日に掲載します。