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葛飾の下町に「望郷の念」

2021年1月19日 6時44分

アディスアベバ(エチオピア) 佐野太一

 青年海外協力隊としての活動を終え、およそ1年半がたちます。2年間を過ごしたエチオピアに望郷の念のようなものを抱きつつ、そうかといってなかなか近づくことができない、そんな日々を送ってきました。今の私にとってのエチオピアは、あの頃に撮った写真、現地の知人と交換したSNSくらいでしょうか。そんな中、吸い込まれるように東京下町の小さなエチオピア人コミュニティを訪れました。
 -東京都葛飾区。山梨で生まれ育った私にはあまり馴染みのある土地ではありませんでしたが、ここに80名ほどのエチオピア人が互いに助け合って生活していると聞いたときは、遠方の友人と近所の方が実は知り合いだったような、とても不思議な感覚になりました。
 この地でエチオピアと日本の懸け橋となっているのが、特定非営利活動法人アデイアベバ・エチオピア協会。「在日エチオピア人支援」「両国の文化・スポーツ交流」「エチオピア人貧困層支援」を三つの柱とし、さまざまな活動を行っています。この協会で、私と同じ青年海外協力隊員であった知人がエチオピア人向けの裁縫教室を開いていることを聞き、一度見学をさせてもらいました。その日はトートバッグを作成中で、ミシンや裁ちばさみの音をBGMに日本語とエチオピアのアムハラ語が飛び交います。その光景にふと1年半前のあの頃が浮かび上がりました。
 東京下町の小さなエチオピア。そこは海外だったのだろうか。それとも現代日本の一端だったのだろうか。でもそれ以上に、今の私にとってのエチオピアでもありました。(元青年海外協力隊、26歳、北杜市出身)