ノーベル文学賞候補と目された世界的な作家、三島由紀夫が割腹自殺をして今月25日で50年がたつ。私兵組織「楯の会」のメンバーと自衛隊施設に乱入し、隊員を前に「憲法改正」の演説をした後、45年の人生に自ら幕を引いた。1970(昭和45)年11月25日。当時、中学生だった私は言いようのない衝撃を受けた。なぜなら小説『潮騒』を読んで感動し、彼のファンになっていたからだ。
冒頭に掲げたものは、三島が同年7月、産経新聞に寄稿した「果たし得ていない約束」と題した文章の一節だ...
このページは有料会員限定です。紙面併読コースまたは電子版単独コースに登録することで続きをご覧いただけます。