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〈ニュースチェック〉ラグビー仏代表「おもてなし」の成果は

2019年12月06日 05時00分
ラグビー・ワールドカップ日本大会でフランス代表の受け入れを担当した富士吉田市職員。現在は来年の東京五輪に向けた準備を進めている=富士吉田市役所

ラグビー・ワールドカップ日本大会でフランス代表の受け入れを担当した富士吉田市職員。現在は来年の東京五輪に向けた準備を進めている=富士吉田市役所

 ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会でフランス代表の公認・事前キャンプ地となり、大会前に選手ら51人を11日間にわたり受け入れた富士吉田市と富士河口湖町。市では練習場の確保や食事に関するチームからの要望への対応のほか、市民との交流イベント開催など「おもてなし」の準備に追われた。来年の東京五輪では県内10市町村が代表チームの事前合宿を受け入れる予定で、富士吉田市も代表2チームを受け入れる可能性がある。市はW杯での経験を踏まえ、「スポーツの専門用語を通訳できる人材の確保など早い段階での対応が重要」として準備を進めている。〈高野芳宏〉

 「キャンプ地として最高でした。ありがとうございました」。9月18日に合宿を終えて市を離れる際、フランス代表のマネジャーは受け入れを担当した市職員に謝意を伝えた。市担当者は代表が帰国する10月21日には羽田空港まで見送りに訪れ、あらためて感謝されたという。市担当者は「喜んでもらえたのは良かったが、東京五輪への課題も浮かんだ」と振り返る。
 2市町が代表を受け入れたのは9月8~18日。W杯などを見据え2016年に発足した市国際スポーツ大会キャンプ地誘致推進室の職員5人と町政策企画課職員4人が、主な業務を担った。
 「今回の対応で役立ったのは、ワールドラグビー女子セブンズシリーズに向けた代表受け入れの経験」と市担当者。市は昨年4月と今年4月に、ラグビー7人制女子フランス代表のキャンプを受け入れた。練習場などへの職員の配置は、チームの練習メニューが決まる前日に決定。市担当者は「選手の体調などに応じて練習内容は変わる。柔軟に対応することの必要性を学んだ」と話す。

■ラインを活用
 今回の事前合宿では、富士北麓公園と富士河口湖町民プールの2カ所が練習拠点となった。選手一人一人の練習が異なることを想定し、移動のため大型バスのほかにワンボックス車を用意。チームには常に職員1人が帯同し、練習予定変更やチームの要望があれば無料通信アプリLINE(ライン)を使って情報を共有した。他部署の職員延べ約50人も練習拠点の警備に当たったという。
 受け入れでは食事にも気を使った。8月からチーム側と打ち合わせをして、宿泊先と協力して指定メニューを提供。「朝食に新鮮なアボカドを用意してほしい」などの要望にも応えた。「交流の一環として吉田のうどんも食べてほしい」との声もあったが、「食事はカロリーまで細かく決められ、体調に関わるため提供しなかった」(市担当者)。チームの要望で選手のフロアから酒類も撤去した。
 一方、公開練習や交流イベントでは課題も。配布チラシの内容について、大会組織委員会と行った商標に関する手続きなどに時間がかかり、周知は5日前になった。市民からは「もっと早く教えてほしかった」との声もあった。

■通訳者の確保
 来年の東京五輪では、甲府や北杜など10市町村が事前合宿を受け入れる。富士吉田市はラグビー7人制フランス代表の男女2チームを受け入れる予定。最大で50人規模となる見込みで、練習拠点と宿泊先を既に確保している。「W杯と異なり競技が多く合宿地も増えるため、通訳確保も課題。日常の言葉だけではなくスポーツの専門用語を理解している人材が必要」(市担当者)としてW杯で協力を得た通訳者1人に依頼し、数人にも打診しているという。
 市国際スポーツ大会キャンプ地誘致推進室の萱沼俊光室長は「W杯キャンプを大過なく対応できたことは自信につながった。今回の課題を踏まえ、選手のことを第一に考える『アスリートファースト』を心掛けて、五輪への準備を進めたい」と話している。