前回までのあらすじ 70歳の夫・茂光と68歳の妻・裕美は、脳梗塞で倒れた認知症の母親・鈴(93)を身延町で「老老介護」している。ある日、何かしきりにつぶやいている鈴。どうしたかと尋ねる茂光に「生きてるのが嫌だなあ、はやく死んだらいいのになあ」と答えた。茂光が「楽しいことを考えるといい」と言うと、鈴は故郷・松島で子どもの頃にあった出来事を今のことのように話す。それきり会話は途切れた。...
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