デウプル(ネパール) 山本晶子
ネパールの首都カトマンズから西へバスと徒歩で12時間。マナスル、アンナプルナの8千メートル級の名峰を望む中部山岳地帯の山村デウプルの学校(小1~高3、約500人)で活動し1年4カ月。ホームステイ先は農家で、夫婦はともに教師。今回は休日と食生活リポートです。
神々しい日の出はアンナプルナから。土と緑の匂いの中、牛と鶏の鳴き声が目覚ましです。掃除をしてプジャ(お祈り)。食事の回数は5回。朝6時、午後2時と5時にお茶と軽食、午前10時に朝食、午後8時に夕飯です。
ここの婦人は皆、ふくよかです。カジャ(軽食)を食べ、朝飯を作りつつ、飼っている水牛の1日100キロの草刈りや乳しぼり、乳を殺菌するため鍋で煮沸、そしてギイ(バター)やダヒ(ヨーグルト)を作ったり、畑仕事。一段落したら一般的な朝ごはんダルバート。ダル(豆スープ)にバート(ご飯)そしてタルカリ(ジャガイモと季節野菜の炒め物)がワンプレートに盛られ、味付けはウコン、唐辛子、クミン等の香辛料で食欲をそそります。
時々、卵焼きや肉も出ます。ヒンドゥー教なので牛はだめ。多くは鶏、特別な時はヤギでジビエです。米も田植え、収穫、脱穀、精米とすべて自分の手で行い、野菜も食事前に畑から収穫する新鮮なものです。乏しい物資ながら大自然の中、健康的な食生活で幸せを感じます。
深い谷の向こうの山にオレンジ色の日没。授業の準備後、会話を楽しみながらの夕食。耳鳴りのする静寂の中で眠りにつきます。時折、獣の遠吠えも響きます…。(青年海外協力隊員、28歳、韮崎市出身)