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<139>ママ友割り切って交流

2019年04月10日
子どもを通しての付き合い

子どもを通しての付き合い

 2歳の女の子がいるAさんが引っ越した家の近所には、同じ年齢の女の子がいるBさん、Cさんがいた。公園で知り合った子どもたちが仲良くなったため、毎日のように公園やそれぞれの自宅などで遊ぶようになった。そのうち、誰からともなく「夕食を一緒に食べよう」ということになった。
 Bさん宅で初めて3人の母親と子どもたちが夕食を共にした時は、子どもたちはみんな大喜びで、楽しく過ごした。Aさんの子どもは普段8時半に寝る習慣だったが、BさんとCさんの子どもは寝るのが10時すぎだったので、夕食後も遊びは続いた。Aさんは「先に帰る」と言い出せず、結局9時までBさん宅で過ごした。帰宅して急いで風呂に入り、寝かしつけようとしたのだが、子どもは興奮して寝つかず、結局寝たのは11時すぎだった。翌日の朝はなかなか起きられず、いつもより2時間以上遅い時間にようやく起きたが、とても不機嫌な様子だった。
 BさんとCさんは、「親子だけで過ごすと夜は子どもがぐずって大変。友だちが一緒にいる方がみんなで面倒を見られるから楽だよね」とAさんを誘ってきた。Aさんは、断ることができず、3家庭で夕飯を持ち回る生活が始まった。Aさんの子どもは就寝時間が遅くなり、朝なかなか起きず、日中もイライラすることが多くなった。
 この状態がとてもつらくなったAさんは、幼稚園選びのときにBさん、Cさんと違う幼稚園に子どもを入れることにした。入園を機に、夕飯の持ち回りは自然解消し、互いに少し疎遠になった。でも、Aさん自身は内心ホッとしたそうだ。
 この話は実話ではないが、僕の周囲でときどき耳にする話をもとに作ったものだ。これを読んで、共感したお母さんもいるかもしれない。
 子どもたちが仲良しだからといって、母親同士も仲の良いママ友になるとは限らない。生活リズムや子育て観が異なる相手といつも一緒にいるのは、つらいという人もいる。ママ友付き合いが楽しい人はよいが、そうでない場合に無理に付き合いを続けると、生活や心の健康を崩してしまう。
 ママ友は、しょせん子どもを通しての付き合い。毎日のように行動を共にしていても、子どもたちの進路が分かれていくにつれて、付き合いは自然消滅することの方が多い。なんらかのグループに属していたい、どこにも属さないとは居心地が悪い、と思うかもしれないが、「ママ友は期間限定の付き合い」と割り切って、当たり障りのない浅い付き合いにとどめておくというのも一つの手だろう。(本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

「ドクター本田のにじいろ子育て」は第2、4水曜日に掲載します