カブエ(ザンビア)角田一幸
今回は、私がパソコンインストラクターとして活動している、ザンビアの言語について紹介します。ザンビアの公用語は英語ですが、70以上の民族が存在し、それぞれが独自の言語を持っています。
その中でも、ベンバ語、ニャンジャ語、トンガ語などが大多数を占めています。たくさんの現地語がありますが、ザンビア人はいくつかの現地語をマスターしており、異なる地域の人とも会話することができます。
ザンビアでは、英語を初等、中等教育で習い、高等教育では英語を使用しています。そのため、私の活動先では英語を使いますが、田舎の農家やコミュニティーで活動する隊員は現地語を習得し、使用しています。それは、貧困層の農家の年間の現金収入が、公務員の10分の1以下のため、子どもを学校に通わせることができないためです。
また、日本ならどこにでもある図書館が、ザンビアでは大都市にあるだけで、しかも有料です。専門書は高価でどれも英語のため、生まれ育った環境で全く異なる人生を歩まざるを得ないのが現状です。
首都ルサカや他の大都市を見ると、ザンビアが貧困国だと想像することはできません。その一方で、地方で幹線道路から離れて、土の凸凹道を2、3時間歩いて農家の集落を訪問すると、途上国の著しい経済格差を見ることができます。広大な畑を自らの腕だけで耕す彼らの苦労と、難しい現地語を習得し、厳しい環境下で活動する隊員の肝胆を砕く活動に尊敬の念を抱き、切磋琢磨する日々です。(青年海外協力隊員、36歳、笛吹市出身)