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<128>コツコツ努力は正しい?

2018年10月24日
コツコツ派? 本番に強いタイプ?

コツコツ派? 本番に強いタイプ?

 日頃からコツコツ努力する人はうまくいく。一方、ふだん努力を怠っている人は、よい結果を得られない。だから、大人は子どもに毎日コツコツと努力させるべきだ。
 当たり前と思う人が多いかもしれない。でも、これはよく考えると必ずしも正しいとは言えない。
 好きでもないことや意義を感じられないことに対しては、いくらやれと言われても努力する気になれない。人が何かをコツコツと頑張ろうと思うのは、そのことにやりがいや目標を持てるときだ。そのようなときは、誰に言われるわけでもなく努力するものだ。だから、「勉強をサボってばかり」と親に思われている子どもでも、ゲームについては毎日コツコツと努力している。親は努力しないと思っているが、実際には親がさせたいと思うことを努力していないだけなのかもしれない。
 「コツコツ努力したかどうか」と「うまくいったかどうか」には、4通りのパターンがある。「努力してうまくいった」と「努力しなかったらうまくいかなかった」というパターンは、わかりやすい。それ以外に、「努力しなかったがうまくいった」と「努力したがうまくいかなかった」というパターンもある。
 ふだんあまり努力する様子もなく、ノラリクラリと過ごしているのに、いざという時だけはエンジン全開で頑張って、最後はよい結果を残す人もいる。いわゆる本番に強いタイプだ。コツコツと努力させたい大人たちの受けは悪いが、本人は「自分はふだんコツコツと頑張ることは難しいけれど、いざとなったらやればできる」という自信を持っていたりする。
 対応が難しいのは、むしろ、ふだん努力しているのに本番で力を発揮できないタイプだ。大人たちは努力家であることを大いに認めている。しかし、本人にしてみると、いくらふだんコツコツと頑張っても、いざというときに失敗したら、自信はかえって大きく低下してしまう。このタイプの子どもに自信を持ってもらうには、かなり時間がかかることが多い。
 冒頭の考え方が正しいと言えないのは、大人が子どもに努力させたいと思うことの多くを、子どもは努力したいと思わないから、そして、やりがいのあること、目標の持てることであれば、黙っていても子どもは勝手に努力をするものだからだ。また、日頃コツコツ頑張るかどうかより、いざというときに結果を出せるかどうかの方が、人格形成においては大きな意味を持つからだ。
 努力はたしかに大事だが、努力で消耗させてしまうことのないようにしたいものだ。
 (本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

「ドクター本田のにじいろ子育て」は第2、4水曜日に掲載します