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<107>思春期 健康な自立へ応援

2017年12月13日
ちょっと息抜きしよう

ちょっと息抜きしよう

 思春期の子どもの親から「これだけは気をつけた方がいいことってありますか?」と聞かれたら、僕はこう答えることにしている。「本人から求められない限り、絶対に助言しないでください」と。
 思春期の子どもは、親に対して複雑な態度をとる。甘えたいけれど、そばにいるとうっとうしい。話したいけれど、生活態度や勉強などに口を出されるのは嫌だ。この時期の子どもに対して親が下手に助言すると、たとえそれが正論であっても、子どもはしゃくに障って反発する可能性が高い。中には、「親が勧めたから」というだけの理由でそれを選択肢から外していく子どももいる。
 進路相談で、親が先回りして「あそこがいい」「ここがいい」などと次々と学校の候補を挙げて子どもに勧めたあとで相談に来られたときに、子どもがどこの学校にも興味を持たなくなってしまっているケースに何度か遭遇したこともある。
 思春期は、子どもが親の庇護や支配から離れて自立していく前段階の、極めて重要な時期だ。この時期に失敗を恐れずに試行錯誤することが、健康な自立につながる。逆にこの時期に親が干渉しすぎると、自分で物を考える習慣が身につかず、自信のない性格に育ってしまう可能性がある。いくらよかれと思ってであっても、親が助言しても反発するだけだし、無理やり助言に従わせると自立できなくなってしまう。いずれにせよ、思春期の子どもに対する親の助言は、だいたいは逆効果に終わることが多い。ただし、本人が自分で決断しかねて素直に親に助言を求めてくるときだけは別だ。そのようなときは、最低限の助言ならしてもかまわない。
 思春期の子どもに対して親がやるべきことがあるとすれば、それは情報提供と応援だろう。いずれも、助言と似て非なるものである。例えば進路選択に際して、子どもが自分ひとりでは得にくい情報を親が持っているときは、その情報を子どもに示すべきだ。でも、情報は提供するが親の意見は言わないよう気をつける。
 最も重要なのは、応援だ。揺れ動き、悩む子どものそばで、明るく安心できる雰囲気を作ることだ。息抜きのティーブレークに誘ったり、一緒にゲームで盛り上がったり。思春期の子どもは、それすらも断る場合がある。そのときは、無理強いする必要はない。それでも、親が子どもを安心させたいというメッセージは、伝わるものだ。ただし、応援も度が過ぎると、子どもが親の期待を感じて反発したり、荷が重く感じたりする恐れがあるので、注意されたい。
 (本田秀夫・信州大付属病院子どものこころ診療部 診療教授)

「ドクター本田のにじいろ子育て」は第2、4水曜日に掲載します