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被災地の子どもに山梨で「安心」を感じてもらうために

2017年08月07日 11時06分
キャンプの打ち合わせをする「この指とまれ!」のメンバー=山梨県立大飯田キャンパス

キャンプの打ち合わせをする「この指とまれ!」のメンバー=山梨県立大飯田キャンパス

 東日本大震災で被災し、放射線が気になって屋外で自由に遊べない福島県の子どもたちを山梨県内に招いている保養キャンプ「じゃんじゃんキャンプ」。この夏で11回目を数える取り組みには、大学生の有志が団体「この指とまれ!」をつくり、関わっている。若者は何を感じ、活動に突き動かされているのか。思いを聞いた。〈清水悠希〉

 ポタ、ポタ、と雨どいからたれてくる雨水。その水滴を、手のひらでつくった器にためる。そんな風にして遊んでいると、福島から来ていた小学生がぽつりと言った。「これって放射線、入ってない?」

 あどけない声で、でも当たり前のように聞いてきた小学生。そばにいた山梨県立大人間福祉学部人間形成学科3年の小木曽瑠美さん(20)は言葉に詰まった。前回までのキャンプでのできごとだ。

 福島では放射線が気になって、自由に外遊びができない子どもたち。「花に触ってはいけない」としかる親の気持ちも内面化し、「キャンプに来ている意味もよく分かっている」と、小木曽さんは子どもたちの様子を表現する。「だからこそ、このキャンプでは何も気にせず遊んでほしい」。そんな思いで、この夏も触れ合うつもりだ。

 その思いは、4回目のキャンプから参加している同大国際政策学部国際コミュニケーション学科の高須優香さん(23)も同じ。ただ同時に、ある「まなざし」とも向き合っている。

 活動を継続する中で、「安全」に対する意見が寄せられた。震災から6年が過ぎ、被災地では除染が行われ、避難指示が解除された地域もある。福島を「安全」とうたう向きが強まる中、キャンプを続けることで「安全ではない」という印象を定着させてしまう。そんな指摘だった。

 答えには悩んだ。さまざまな考え方が頭の中をめぐったが、リピーターのように保養に訪れ、交流が深まる親子の顔を浮かべて思い至った。誰が「安全」と言おうが「安心」の基準は人によって違う。「活動を求めている人がいる限り続けよう」。そんな気持ちで、今月17日から始まる4泊5日のキャンプに臨む。

 キャンプには約25人の大学生がスタッフとして関わり、湖で遊んだり、農作業をしたりする予定。活動存続のため、インターネットで出資を募るクラウドファンディングサイト「FAAVOやまなし」でも資金を募っている。