デザートも食べ終えて、帰り支度中に俺が「墓参りに行くか。仏壇とお墓は別物だぞ、墓にはしっかりお骨があるからな」と言えば、和雄は「いいね、俺も行きたかった」と言った。光江も翠も爺ちゃんの墓を知らない。車に乗り込むと、ハンドルを握る亮太が「実は俺も墓参りに行きたかった。明日行こうかと線香も用意してあるよ。でも急がないと暗くなっちまうね。祖父ちゃんも誰が来たかわからないと困る」。百合が後ろの座席で淳に「まさかね」と笑いかける。後方から和雄の車もついてくる。...
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