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<70>叱る前に効果を見極め

2016年05月25日
いつする?

いつする?

 前回に引き続き、子どもを叱ることの意味について考える。
 夜遅くなってもまだ宿題が終わらず親に叱られる、ということを毎日繰り返している子どもが時々いる。宿題を始めてすらおらず、親が叱ると子どもも逆ギレし、取っ組み合いのけんかに発展してしまうという家庭もある。
 子どもの行為を改めさせることが叱ることの目的だとすると、このような子どもでは叱っても効果がない。まずやるべきことは、子どもがなぜ宿題に手をつけないのかを考えてみることだ。実は、もっとギリギリになるとやるのかもしれない。要は提出期限に間に合えばよいのだから、直前の休み時間までに終えればよい。朝になってからやり始めて間に合わせるという子どももいる。僕はこのタイプだった、というか今もこの原稿を締め切り日当日の朝書いている(苦笑)。このタイプの人は、夜やらなくても期限には間に合うのだから、改める必要はないし、親が叱る必要もない。
 親が確認しないと宿題を本当にやらず、提出できない子どももいる。その場合、宿題の内容、難易度、量が子どもに合っていない可能性が高い。そもそも学校の宿題は、小学生で30分、中学生で1時間程度、親の助けを借りずにひとりでできる程度のものにすべきだ。全員に同じ宿題が出れば、内容、難易度、量が合わない子どもが必ず出てくる。子どもが自発的にやり始め、期限までに終えられるような宿題を出してもらうよう、親は教師と話し合う必要がある。
 中には、気が散りやすくてどうしても親に手伝ってもらわないと宿題が手につかないという子どももいる。その場合は手伝っても構わないが、親は冷静に付き合わねばならない。親が叱ると子どももイライラするので、かえって効率は悪くなる。
 いくら叱っても改善しない場合の多くは、子どもの特性を親が把握できていないことに要因がある。宿題では、学校の教師も要因の一つになる。改善が目的ならば、叱る以外のやり方の方が結果は出やすい。
 そうは言っても叱らなければ示しがつかない、と思う方もいるだろう。でもそれは、示しがつかないのではなく、親の腹の虫が治まらないのではないだろうか? この場合、叱ることの目的は、「親のうっぷんを晴らす」ことかもしれない。親も聖人君子ではないので、ときにこのような叱り方をしてしまうことは誰にでもある。でも、問題が改まらないのに叱ることを繰り返している親は、「これはうっぷん晴らしかもしれない」と振り返ってみる必要がある。
 (本田秀夫・信州大付属病院子どものこころ診療部 診療教授)

「ドクター本田のにじいろ子育て」は第2、4水曜日に掲載します