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<58>習い事は好きなものに

2015年11月25日
どれで遊ぶ~?

どれで遊ぶ~?

 子どもを何らかの習い事や塾に通わせる場合、何を習うか、どこに通うかは、どうやって決めればよいだろうか?
 親が子どもにさせたいと思うものを習い事に選んでいるという家庭は多い。中には、子どもが苦手なことを重点的に習い事や塾で補強しようとする親もいる。でも、残念ながら子どもにその習い事にかんする才能がそれほどない場合、あるいは子どもがその習い事をどうしても好きになれない場合は、親がいくらやらせたいと思っても苦手なものは苦手なまま、嫌いなものは嫌いなままである。その習い事を続ければ続けるほど、子どもは苦痛になっていく。
 一般に、習い事や塾は、得意なことや好きなことに絞るべきだ。その方が続けやすいし、より一層得意になるので子ども本人にとって自信になり、健康的な心の成長につながる。逆に、苦手なことや嫌いなことを習い事に選んで無理に続けると、余計に苦手意識が強くなり、ますます嫌いになる。時間をかける割に習熟しないので、結局自信は低下し、健康的な心の成長にとってマイナスだ。苦手なことをあえて選ぶときがあるとすれば、上手ではなくてもそれが好きでぜひ続けたいと本人が望む場合か、受験に際して苦手科目を克服したいと本人自ら希望する場合に限るべきだ。
 一方、音楽やスポーツなどの中には、幼児期から始める方が伸びやすいと言われる分野もある。実際、プロの音楽家の多くは幼児期から楽器を始めている。将来こうした領域のプロになる可能性を残すためには、幼児期から始めた方がよさそうだ。でも、3歳の子どもが「ぜひピアノを習わせてください」と自分から親に頼むことは、まずないだろう。もしその子に何かの才能が潜んでいる場合、子どもがやりたいと自分から言い出すまで待っているわけにもいかない。
 子どもがまだ小さいうちから習い事をやらせたい場合は、「お試し」をしてみるとよい。その方面に才能があるかどうかは、やってみないとわからないのも事実だ。子ども本人が興味をもって習い続けたいと思えば、喜んで続けるだろう。でも、お試しはあくまでお試し。やってみて本人が気乗りしなければ、親は潔くやめる決断をしなければならない。しばらく習い続けているうちに嫌になってしまう場合もある。そのときも、無理に続けさせずに中断する。最初のチャンスは親が与えないと子どもにはわからないが、習い事として続けるかどうかは自分で決める。それは、子どもが自分の個性を知ることにもつながる。
(本田秀夫・信州大付属病院子どものこころ診療部 診療教授)
=第2、4水曜日に掲載します