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<29>褒めること一貫性が重要

2014年09月10日
はなまるもらったよ

はなまるもらったよ

 わが国には、「あまり自慢するのはみっともない」という文化がある。内心では得意に思っていても、あからさまには自慢しない。むしろ謙遜する方が好感をもたれる。また、「身内」という言葉があるように、家族は自分の一部とみなされるので、わが国で家族を褒めることも、みっともないとみなされる。もともとは他人だから結婚する前は周囲にのろけ話ばかりしているのに、結婚したとたんに人前では相手を褒めなくなるということは、わが国では当たり前のことだ。
 子どもに対しても、そうである。ふだん、子どもの良いところをしっかり認めてよく褒めている親でも、よその人にわが子を褒められると、謙遜して「たいしたことありません」「まぐれですよ」などと、つい言ってしまう。僕自身、自分の子どもを人から褒められたとき、本人の目の前で思わず謙遜の言葉を発してしまい、ハッとしたことが何度かある。
 これって、子どもはどのように感じるのだろう? さっきまでは褒めていたのに、今度は否定する。どちらが本音なのかわからず、当惑してしまう。親は「身内だから謙遜して当たり前。よその人には謙遜しているけれど、本当は褒めているんだよ」と説明することは、まずないだろう。そんなこといちいち説明しなくたって、子どもには気持ちが伝わっているから大丈夫、と高をくくっているはずだ。
 でも、子どもたちは親の態度に敏感だ。ちょっとした言動の矛盾でも、気になってしまう場合がある。同じことを褒めたり否定したりされて一貫性がないと、その人のことが信用できなくなってしまうかもしれない。
 では、自分の子どもを誰かが褒めたときは、どのように応じればよいのだろうか? これが意外に難しい。子どもの立場からみると、親も同調して褒めてくれるのが最もうれしい。しかし、例えば「○○ちゃんは絵が上手だね」とよその人が褒めたとき、親が「そうなんですよ。うちの子は絵が得意で…」と言うと、残念ながらわが国では自慢し過ぎと思われてしまうことが多い。
 このようなとき、親は褒めてくれた相手に対して「ありがとうございます」とお礼を言い、次いで子どもに「(褒めてもらって)良かったね」と語りかけると良い。これだと、相手にあまり悪い印象も与えず、かつ子どもを傷つけるような謙遜をする必要もない。子どもにとっても、親の態度が一貫してみえるはずだ。もちろん、ふだんからよく褒めることが重要であるのは言うまでもない。
 (本田秀夫・信州大付属病院子どものこころ診療部長)
 =第2、4水曜日に掲載します