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機能性ディスペプシア 主な症状は?

2013年7月4日
うえたけ・ともよしさん 1997年山梨医科大(現山梨大医学部)大学院修了。長野・佐久町立千曲病院を経て、2004年から同大付属病院。11年から同大医学部第一内科講師。日本内科学会指導医、日本消化器学会専門医、スポーツドクター。さいたま市出身。

うえたけ・ともよしさん 1997年山梨医科大(現山梨大医学部)大学院修了。長野・佐久町立千曲病院を経て、2004年から同大付属病院。11年から同大医学部第一内科講師。日本内科学会指導医、日本消化器学会専門医、スポーツドクター。さいたま市出身。

 40代男性。食後の胃もたれや胃痛が続き、胃カメラを受けたところ「機能性ディスペプシア(FD)」と診断されました。どのような病気でしょうか。

回答者 山梨大付属病院消化器内科 植竹 智義医師

胃もたれや早期飽満感 生活習慣の改善が重要

 -機能性ディスペプシア(FD)とは。
 胃もたれやみぞおちの痛みなどの症状があるのに、内視鏡検査(胃カメラ)では異常が見つからない病気です。「機能性」とは炎症や潰瘍、がんなどの器質的異常が認められない症状の病気を指します。ディスペプシアは直訳すると「消化不良」ですが、ここではさまざまな症状を含みます。6月に世界で初めて、保険認可された薬が日本で発売されました。体質ではなく病気として国が認め、治療できる体制ができたといえます。

 -具体的にはどんな症状がありますか。
 代表的な症状は、(1)食べ物がいつまでも胃の中にとどまっているようなもたれ感(2)食べ始めてすぐにおなかがいっぱいになってしまう早期飽満感(3)みぞおちの差し込むような痛み(4)みぞおちに熱を持ったような灼熱感-の四つです。痛みの程度や頻度はさまざまですが、これらの症状を週に何度も繰り返す場合、FDの疑いがあります。複数の症状が重なって起こったり、日によって変わったりすることもあります。

 -どのように診断するのですか。
 問診と内視鏡検査を行い、診断します。同じような症状には逆流性食道炎や胃炎、胃がんなどがありますので、それらの病気ではないことを確認することが重要です。

 -原因は。
 消化管の運動不全や知覚過敏などが考えられます。正常な状態の胃は、食べ物が入ってくると胃の上部が膨らんでかくはんし、十二指腸に胃酸とともに送り出します。FDでは、胃に入った食べ物を十二指腸に送り出すリズムが悪くなり、胃の中に残ってしまうため、もたれ感や早期飽満感を生じます。
 知覚過敏は、胃が刺激に対して痛みを感じやすくなっていて、少しの食べ物にも痛みや満腹感を感じます。胃などの消化管はストレスの影響を受けやすく、生活リズムの乱れや精神的な要因が症状の原因となっている場合もあります。実際に胃カメラで異常がないと分かると症状がよくなる人もいます。

 -治療法は。
 生活習慣の改善が重要です。食生活では規則正しく食べ、一度に食べ過ぎないこと。脂っこいものや刺激の強いもの、寝る前の食事は避けましょう。また十分な睡眠や適度な運動を心掛け、ストレスをためないようにしましょう。それでも症状が改善しない場合は、胃の動きを改善する薬や過剰な胃酸の分泌を抑える薬を内服します。精神的な要因が考えられる場合は、軽い安定剤や抗うつ薬、睡眠薬を処方することもあります。

 -症状に気付いたらどうしたらいいでしょうか。
 命にかかわる病気ではありませんが、QOL(生活の質)の低下を招きます。症状を感じていて1年以上胃カメラを受けていない人は、近くの医療機関で胃カメラを受け、胃腸の健康を確認してください。胃カメラで異常がなかった人も放置せず、適切な治療を受けましょう。