いしはら・ひろしさん 1983年東北大医学部卒。静岡済生会病院、山梨医科大(現山梨大医学部)、米国アイオワ大、社会保険山梨病院を 経て、2009年4月より山梨大第二内科准教授。日本内科学会認定医、日本呼吸器学会認定医・指導医。甲府市出身。
-肺カルチノイドとは。
肺がんの一種ですが、頻度は少なく非常に珍しい種類です。肺がんのうち9割以上を占めるのは、扁平上皮がん、小細胞がん、腺がん、大細胞がん。カルチノイドは肺がん全体の1%にも満たないほどです。「定型」と「非定型」の2種類あり、定型カルチノイドは悪性度が低く、進行はゆるやかで、ほかの臓器に転移しにくい腫瘍とされています。一方、非定型は悪性度が高く、リンパ節などに転移することがあります。
-カルチノイドとはどういう意味ですか。
カルチノイドは神経内分泌細胞から発生する腫瘍で、肺以外にも神経内分泌細胞がある胃や腸などの消化管にもできます。同じような神経内分泌腫瘍には甲状腺髄様がん、悪性黒色腫、褐色細胞腫などがあります。ラテン語で「カルチ」はがん、「ノイド」は似たものを意味するので、カルチノイドは「がんもどき」といった意味です。...
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