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2009年8月23日(日)

特集
【県内3選挙区の終盤情勢】
〔3区〕

 ◆甲斐

 後藤氏先行追う小野氏  「保坂氏票」争奪が激化

 自民党前職の小野次郎候補が敷島、双葉両地区を中心に支持を広げる一方、民主党前職の後藤斎候補は追い風に乗って竜王地区を中心に着実に浸透している。甲斐市長に転身した保坂武元衆院議員(自民)の地元で、保坂氏が前回衆院選で1万5千票余り(得票率40・4%)を獲得しているだけに、「刺客」として対決した小野候補は、保坂氏支持者との融和を急いでいる。同市はもともと民主系支持層が比較的強い地域。後藤候補は同党支持者を固めながら、自民支持層にも食い込んでいる。
 小野候補の陣営は、保延実、大沢軍治両県議、自民系市議の後援会を中心に電話作戦などを展開。女性支援組織も活発に動き出した。陣営幹部は「厳しい選挙戦だが、徐々に浸透している。後半一気に巻き返したい」と意気込む。
 「自主投票」となった公明票は市内で4千票前後あるとされ、獲得に向け生活者を重視した自公の政策一致点を積極的にアピール。また、保坂氏の同級生にアプローチを重ね融和を急いでいる。
 後藤候補の陣営は、地元選出の木村富貴子県議、民主系市議の後援会などの組織がフル回転し、竜王地区を中心に基礎票固めに躍起。電話作戦や声かけ運動を強化し、浸透を図っている。旧町単位に設けた地域選対支部や、連合山梨傘下の労組も票の掘り起こしを進めている。
 昨秋から支持者へのあいさつ回りを重ねるなど、地道な活動を展開。陣営は「前回の自民分裂劇のしこり解消は進んでいない」とみて、保坂氏支持層の切り崩しを図っている。郵便局長らでつくる政治団体「郵政政策研究会」県西部地区会も支援に動いている。
 一方、保坂市長は、比例代表については自民党支持を明言したが、選挙区については「個々の支持者の判断に委ねたい」として、後援会は実質的に自主投票の構え。
 幸福実現党新人の桜田大佑候補は、市内の幹線道路で街頭演説を重ねるなど、知名度アップを図っている。

 ◆南アルプス

 後藤氏保守層食い込み  白根・櫛形地区票がかぎ

 民主への追い風に乗り、無党派層や保守層の一部にも浸透する後藤候補に対し、小野候補は後援会支部や自民党県議の支持基盤を軸に支持を広げる。
 両陣営とも人口の多い白根、櫛形両地区を中心に、甲斐市長に転身した保坂元衆院議員の支持者の多い地域に焦点を合わせ、保坂氏支持票の取り込みを図っている。
 後藤候補の陣営は、市内2カ所に連絡所を構え、地元選出の金丸直道県議や連合山梨傘下の労組が活動を強化。後援会入会カードの点検や電話作戦などで浸透を図っている。
 後藤候補は市内の会合に積極的に参加し、前回保坂氏を支援した多数の市議から支援を受ける。陣営は「政権交代を求める期待感を強く感じる。無党派層へのアピールを続け、票の上積みを図りたい」としている。
 小野候補の陣営は内田健、中込博文両県議を中心に支持拡大に躍起。自主投票となった公明党支持者へも接触して協力を呼び掛けている。自民党系元職の旧町村議からも支援を受け、保守層を中心に票固めを進めている。
 市内で開いた総決起大会には、小野候補が秘書官を務めた小泉純一郎元首相も駆け付けた。「元首相の来県で市民の関心も高く弾みがついた」(陣営)と、てこ入れ効果を強調する。
 桜田候補の陣営は、国防や経済対策の政策を訴えて支持拡大を図っている。


 ◆韮崎

 小野氏支持固め全力  後藤氏無党派に浸透

 小野候補が県議や市議の組織を軸に、中央とのパイプをアピールするなど、自民党支持層の票固めに躍起。後藤候補は保守系地盤にも食い込み、支持拡大を図っている。
 小野候補の陣営は、選対本部長である清水武則県議、地元市議を中心に、電話作戦などで浸透を図っている。自民党への逆風が強まる中、党としての政策実行力や実績を前面に出して、支持者離れの食い止めに懸命。比例代表で自民党支持を明らかにしている保坂甲斐市長(元衆院議員)の支持層へのアプローチも強めている。
 陣営は「中部横断自動車道を早期に実現するには安定した政権が必要」などとし、自民の議席継続を訴える戦術。「財源の裏付けがない」と、民主党のマニフェスト(政権公約)への批判も展開している。
 後藤候補は、連合山梨傘下の労組、民主党の輿石東参院議員会長(韮崎市出身)の後援会が支援。電話作戦などを強化し、票固めを進めている。子育てや教育などの身近な政策を訴え、無党派層への浸透にも力を入れている。
 前回衆院選で3区の「自民分裂」により生じた小野候補への“アレルギー”が強い保坂氏支持層を切り崩している。陣営は「政権交代を期待する声が強く、これまでにない手応えがある。上滑りがないよう最後まで引き締めを図る」としている。
 横内公明市長は、2候補と等距離の姿勢を取る。
 桜田候補は、遊説などで知名度アップを図っている。


 ◆北杜

 後藤氏着実に支持固め  実績アピールの小野氏

 後藤候補が組織固めを進めて着実に支持を広げれば、小野候補は自民党支部との連携を図りながら保守票の上積みを目指している。
 後藤候補の陣営は長坂町内に選対支部の市内総合事務所を開設し支部間の連絡調整を強化。連合山梨傘下の労組や教職員OBの組織力に加え、旧町村単位に設けた支部が動きを活発化させるなど、小野候補の地元を意識し、きめ細かな選挙態勢を整えた。
 電話作戦などを繰り返し、地区ごとに支持者の掘り起こしを進め、これまで自民系候補を支持してきた建設業者などの支援を取り付けた。地元選出の進藤純世県議の後援会を中心に、女性票の取り込みにも力を入れている。
 小野候補の陣営は、地域選対ではいち早く長坂町内に総合選対事務所を開き、浸透を図ってきた。地元選出の浅川力三県議の組織を軸に、自民党系市議も支援に動いている。「自主投票」となった公明票の獲得にも力を入れ、関係者と接触している。
 自民党に逆風が吹く中、「候補の政治姿勢を中心に訴える」(陣営関係者)として、太陽光発電実証研究施設の地元誘致に貢献した実績などをアピールしている。
 桜田候補は、遊説などを通じて知名度アップを急いでいる。


 ◆中央(旧豊富除く)・昭和 

 強固な非自民系地盤  小野氏無党派に照準 
 
 非自民系が強い地域。政権交代を求める機運の高まりを受け、後藤候補が組織力を生かして着実に浸透。小野候補は転入者が多い地域の無党派層に照準を合わせ、地域をきめ細かく回って支持拡大を図っている。
 後藤候補は前回衆院選で、小野候補を約3千票上回った。前回、保坂元衆院議員を支援した市議、町議が多く、小野候補との間にしこりが残る中、保坂氏の得票約6300票獲得に向け、自民党支持層の切り崩しを図っている。陣営は「後期高齢者医療制度への反発は強い」とみて、高齢者層の取り込みに躍起。連合山梨傘下の労組とも連携し、票の上積みを狙う。
 小野候補は、河西敏郎県議や自民党支部、地元市議や町議が支援の柱。解散後からは支持者へのあいさつ回りに力を入れてきたが、「地元での組織的な活動は出遅れ気味」(陣営)として、電話作戦などを強化している。計3日間行う遊説を軸に、従来からの自民党支持者への浸透や、無党派層の取り込みを図る。ただ、「刺客」だった小野候補と距離を置く市議、町議もいるため、陣営は保坂氏支持者にアプローチするなど、融和を急いでいる。
 桜田候補は遊説などで政策を訴え、知名度アップを目指している。


 ◆増穂・鰍沢・早川・身延(旧下部除く)・南部

 保守票切り崩す後藤氏  小野氏は巻き返し図る

 自民党支持者が多い地域。地道な活動を続けてきた後藤候補が自民支持層に食い込みを図っている。小野候補は浸透を急いでいる。
 後藤候補の陣営は、増穂町など5カ所に開設した連絡所を拠点に集票活動を強化。連合傘下の労組や教員OBらが無党派層への票の掘り起こしを進めている。郵政民営化に批判的な立場の自民支持層の切り崩しも進め、早川町では辻一幸町長と町議の過半数が支持に回った。
 小野候補の陣営は自民党支部の組織を生かし、声かけ運動などを活発化。議員立法による鳥獣被害防止特措法成立などの実績もアピールしている。前回衆院選で保坂元衆院議員が南巨摩地域で1万905票を獲得しており、陣営は「刺客として戦った前回のしこり解消を急ぎ、保守系の票を固めたい」としている。
 桜田候補の陣営は、遊説などで知名度アップを図っている。


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