2010年07月13日(火)
「投票誘導」チェック困難 笛吹選挙違反 代筆OKの知的障害者、メモ持参も”権利” 判断力養成求める声も
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美咲園から出てくる捜査員=笛吹市八代町北(7日) |
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参院選の期日前投票で、知的障害者に特定候補の名前を投票用紙に書くよう指示したとして、公選法違反(投票干渉)の疑いで、笛吹市の知的障害者授産施設の施設長が逮捕された事件の舞台は、市選管担当者が立ち会っていた市役所の投票会場だった。障害者には投票用紙に代筆してもらう代理投票が認められ、会場で候補者名を書いたメモを持参することは可能。市選管の担当者は「知的障害者の場合、本人の意思か確認できないことがある」と打ち明け、不正を見抜くのは難しいという。福祉施設に入所する弱者に投票を誘導する事例はたびたびあり、福祉関係者は「各施設は入所者が候補者を選べるよう判断力を養う取り組みを進めてほしい」と指摘する。 笛吹市八代町北の知的障害者授産施設「美咲園」の施設長、前島みき容疑者(49)=同所=の逮捕容疑は、5日午前10時半ごろ、市八代支所の期日前投票所に、入所者10人を連れて行き、候補者名を記載したメモを手渡すなどして、投票を干渉した疑い。関係者によると、メモにはおじで参院選比例代表に立候補した八代英太氏と、山梨選挙区候補の宮川典子氏の名前が書いてあった。 市選管などによると、代理投票は、読み書きが困難な障害者が投票する場合、投票所の管理者(選管)が指名した代理人に代筆してもらう制度。本人の意思で候補者を選び、第三者に書いてもらったメモを会場に持ち込んだり、代理人に口頭で伝えたりして投票する。 今回の事件では、10人の入所者のうち6人は読み書きが困難で、会場にいた職員1人が投票用紙に記入、もう一人の職員が記入内容をチェックした。会場にいた警察官が入所者に事情を聴いたため、容疑が浮上した。 複数の市関係者は「選挙のたびに美咲園が入所者を投票所に連れて行くのを見た。過去の選挙でも投票誘導があったのではないか」と推察。ただ市選管は「代理投票した障害者が持っていたメモが本人の意思なのか判断するのは困難」という。 全国的に、福祉施設関係者が特定候補者への投票を指示したとして摘発される事例は少なくない。峡東地域の福祉施設の関係者は、今回の参院選で施設を運営する社会福祉法人の代表者が「不在者投票の直前、入所者に特定候補者のチラシと菓子を手渡し、投票を依頼した」と打ち明ける。この代表者は「問題のある行為という認識はない」としている。 県障害者福祉協会の竹内正直理事長は「障害者の選挙権は、行使するより本人の判断で投票しているかが大事になる。善意であっても誘導は絶対に良くない」と指摘。「障害者が選挙に参加するという意識が持てるような教育、訓練が必要」と話している。
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