2009年12月21日(月)
止まらない「孤独死」 昨年は169人 民生委員不足、見守り限界
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高齢の男性が遺体で見つかった自宅の庭に供えられた線香と菊の花、たばこ。県内ではお年寄りの孤独死が増えている=甲府市内 |
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先月、甲府市内の民家で白骨化した高齢の男性の遺体が見つかった。知人が発見して警察に通報、検視の結果、病死とみられる。男性は近所との付き合いがほとんどなく、暮らしている様子がみられなかったため、住民は「空き家だと思っていた」ほどだ。誰にもみとられず独りで最期を迎えるお年寄りの孤独死。県内でも高齢化や核家族化に伴って増えている。自治体は地域の見守りで防ごうと、民生委員による定期的な巡回などを展開しているが、人手不足などから満足な活動とはいえない。緊急通報システムを完備した高齢者向けの公営住宅整備も、厳しい財政状況が大きな壁になっている。 甲府市内の幹線道路に近い住宅街の一角にある民家。庭は雑草で荒れ果て、ベニヤ板のドアの一部は朽ちていた。ここで独り暮らしをしていた高齢の男性がひっそりと人生に幕を下ろした。警察が検視したところ、骨に異常はなく、第三者が侵入した形跡がないことから、事件性がないことが分かった。死亡時期は不明だが、遺体の状況から、1カ月以上は経過しているとみられる。 男性の知り合いが訪れて遺体を見つけた。近所の住民などによると、男性は父親が亡くなった約15年前から独り暮らし。住民が最後に見かけたのは2年ほど前といい、トラック運転手などとして働き、家を空けることが多かったため、姿が見えなくなった後も不審に思う人はいなかった。 男性が発見された翌日、庭には線香と菊の花、たばこが置かれた。男性と付き合いがあった人が供えたもので、「いい人だった。気付いてあげられなかったのが悔しい」とつぶやき、手を合わせていた。 県警捜査1課によると、昨年1年間に検視した1247人のうち、独居老人は13・6%に当たる169人。前年より24人(16・6%)多く、今年に入っても増加しているという。県のまとめでは、4月時点の高齢者約20万9千人のうち、独り暮らしは1割以上の約2万8千人。割合は年々増えている。 独居老人が約7500人いるという甲府市は、各地区の民生委員(384人)が高齢者宅を訪れ、健康状態を確認するようにしている。市民生児童委員協議会の戸田知会長(61)は「家を訪ねても出てこなかったり、あまり話そうとしなかったりするお年寄りがいる。プライバシーの問題もあって、委員はみんな苦労している」と、活動の難しさを訴える。 マンパワー不足も深刻。委員1人当たりの巡回割り当ては平均230軒だが、800軒を担当する委員もいて、市は委員の負担を軽減しようと、委員定数を決める県に大幅な増員を求めている。しかし、県は委員1人当たり年間6万円以上の経費がかかることから「財政的に厳しい」(福祉保健総務課)という。 自治体の中には、寝室や浴室に緊急通報システムを完備するなどした集合住宅「シルバーハウジング」を整備するところがあるが、通常よりコストがかかり、県内では少ない。県営団地では「東山梨ぬくもり団地」(山梨市)の30戸にとどまっている。
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