2007 夏の甲子園 がんばれ甲府商業
試合結果
第8日
延長12回 甲府商涙

 第89回全国高校野球選手権大会第8日は15日、甲子園球場で2回戦を行い、山梨代表の甲府商は第4試合で新潟明訓(新潟)と対戦、延長十二回、1−2で惜敗した。エース米田易弘が12回を投げ抜いたが打線が援護できず、前回出場の第45回大会に並ぶ3回戦進出はならなかった。甲府商は一回に市川大輔の右前適時打で先制したが、六回以降は新潟明訓のエース永井剛の前に無安打、2けた三振を喫するなど追加点を奪えなかった。十二回の守りでは二死二、三塁から内野手の送球ミスで1点を失い、これが決勝点となった。
2回戦

▽第4試合

新潟明訓
甲府商


白球夢
米田153球熱投及ばず
「我慢」あと一歩、球運スルリ

 四回までに1点ずつ取り合った後、両校譲らず延長戦に突入。勝利の女神がどちらにほほ笑むか迷っていた十二回、甲府商はあと一歩のところで球運をつかめなかった。
 十二回表の守り、二死二、三塁。エース米田易弘が打ち取った打球はショートゴロに。イレギュラーしたが、難なく処理した杉本和樹の一塁への送球はワンバウンド。懸命に捕球を試みた一塁手・市川大輔のミットからボールはこぼれ落ち打者走者が一塁を駆け抜ける間に、三走が生還。致命的な1点を失った。
 「捕った時に打者走者が一塁までまだ半分のあたりだったので、安心してしまった。腕が振れてなかった」。杉本は目を真っ赤にはらして声を震わせた。
 「キーワードは我慢。接戦に持ち込み、後半勝負にしたい」(布施正臣監督)。指揮官の期待に2年生エースの米田が最高の投球で応えた。四回までに6安打を浴びたが、失点は本塁打による1点のみと要所を抑えた。
 五回に得意のスライダーで、この試合初の三振を奪うと尻上がりに調子を上げた。七回は顔面付近を襲う痛烈なライナーを好捕し2度ガッツポーズ。十回にはバントの飛球に飛びつき、味方と交錯して倒れ込んだが、球は放さなかった。
 「気迫と冷静さ、両方を出せた」(米田)。失点した十二回までは三塁を踏ませない力投。時に笑顔を浮かべながら、時には闘志を込めて153球を投げ抜いた。
 相手の3投手に一人で堂々と立ち向かった米田は「1球1球に歓声が上がって楽しかったですね。12回を投げたことも収穫」と甲子園のマウンドを振り返る。普段はクールなエースも涙をこらえきれなかった。
 「時間がなかったので甲子園の土は持ってこられなかった」と明かす表情には、必ず甲子園に戻ってくるという決意もにじむ。「ここまでこれたのは3年生のおかげ。今回は連れてきてもらったけど、また戻ってきたい」と顔を上げた。

【全国高校野球2回戦 新潟明訓−甲府商】延長12回を153球で投げ抜いた甲府商のエース米田易弘

熱闘譜
初回先制、中盤から打線沈黙
持ち味の勝負強さ影潜める

 甲府商は好調だった打線が新潟明訓の3投手の前に5安打と沈黙。布施正臣監督も、予想以上の力の差に脱帽するしかなかった。
 「3人とも遜色(そんしょく)はないが、永井(剛)君が特出している」(布施監督)。新潟明訓との対戦が決まってから、相手エースの永井対策に時間を割いた。
 永井を攻略できれば竹田大将、関知成の2投手も打ち崩せるとの考えだったが、先発は予想に反し3番手と見られた関。この投手起用に動揺したのか、打線は持ち味の勝負強さが影を潜め、つながりを欠いた。
 それでも得意の機動力を使って見せ場はつくった。四回一死一塁から、市川大輔がディレードスチールを仕掛け、相手のミスも誘って一死三塁と好機を広げた。その後も、渡辺貴幸の2盗塁やエンドランで揺さぶりを掛けたが、あと一本が出なかった。
 昨秋「最低ラインからのスタート」(布施監督)だった甲府商ナイン。それでも布施監督の「派手さはないが、みんなでコツコツやる」との言葉通り、小さな力を結集させて山梨の頂点に立ち、全国でも通用するチームに成長した。
 「練習はきつかったけど、耐えて続けたことは無駄ではなかった」。玉井悠野主将に涙はなかった。新チームには甲子園経験者が多く残る。2年生の深沢元気は「3年生みたいに粘り強く、我慢できるチームになりたい。春でも夏でもまた甲子園に帰ってきたい」と伝統を受け継ぎ、夢舞台に戻る決意を語った。

【全国高校野球2回戦 新潟明訓−甲府商】1回裏甲府商2死満塁、市川大輔が右前へ先制打を放つ

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