米田153球熱投及ばず 「我慢」あと一歩、球運スルリ
四回までに1点ずつ取り合った後、両校譲らず延長戦に突入。勝利の女神がどちらにほほ笑むか迷っていた十二回、甲府商はあと一歩のところで球運をつかめなかった。 十二回表の守り、二死二、三塁。エース米田易弘が打ち取った打球はショートゴロに。イレギュラーしたが、難なく処理した杉本和樹の一塁への送球はワンバウンド。懸命に捕球を試みた一塁手・市川大輔のミットからボールはこぼれ落ち打者走者が一塁を駆け抜ける間に、三走が生還。致命的な1点を失った。 「捕った時に打者走者が一塁までまだ半分のあたりだったので、安心してしまった。腕が振れてなかった」。杉本は目を真っ赤にはらして声を震わせた。 「キーワードは我慢。接戦に持ち込み、後半勝負にしたい」(布施正臣監督)。指揮官の期待に2年生エースの米田が最高の投球で応えた。四回までに6安打を浴びたが、失点は本塁打による1点のみと要所を抑えた。 五回に得意のスライダーで、この試合初の三振を奪うと尻上がりに調子を上げた。七回は顔面付近を襲う痛烈なライナーを好捕し2度ガッツポーズ。十回にはバントの飛球に飛びつき、味方と交錯して倒れ込んだが、球は放さなかった。 「気迫と冷静さ、両方を出せた」(米田)。失点した十二回までは三塁を踏ませない力投。時に笑顔を浮かべながら、時には闘志を込めて153球を投げ抜いた。 相手の3投手に一人で堂々と立ち向かった米田は「1球1球に歓声が上がって楽しかったですね。12回を投げたことも収穫」と甲子園のマウンドを振り返る。普段はクールなエースも涙をこらえきれなかった。 「時間がなかったので甲子園の土は持ってこられなかった」と明かす表情には、必ず甲子園に戻ってくるという決意もにじむ。「ここまでこれたのは3年生のおかげ。今回は連れてきてもらったけど、また戻ってきたい」と顔を上げた。 |

【全国高校野球2回戦 新潟明訓−甲府商】延長12回を153球で投げ抜いた甲府商のエース米田易弘
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