ホーム
最新
山梨
全国・海外
スポーツ
Eye
安心・安全情報
おくやみ・催し・人事
写真・動画
分かる・知る
ビジネス

「県予算を見る」〈1〉人口減少対策

2018年02月14日 05時00分

 山梨県の2018年度一般会計当初予算案が発表され、後藤斎知事が任期最終年に取り組む事業が明らかになった。後藤知事が「最重要課題」とする人口減少対策で多くの事業を計画、教育や県経済を支える人材育成なども重視したとしている。分野ごとに記者が予算のポイントを解説する。

若年層の転出抑制策を強化
 総務省が1月に公表した人口移動報告で、山梨県は転出者が転入者を上回る「転出超過」が3年ぶりに増加に転じました。転出超過数は08年以降で2番目の多さです。来年度は一部新規を含め、新規69事業を追加し、人口減少対策に約19億6800万円を計上しました。16年度の県常住人口調査によると、20代は転出者が転入者を2177人上回っており、ほかの年代より突出して多いのが現状です。県外への就職が大きく影響していると考えられ、県は来年度、就職期を迎えた若年層をターゲットに県内への定着を目指す施策を数多く展開する方針です。

魅力的な就職先の確保も課題に
 若者に県内就職を促すため、県は来年度、高校生や大学生らを対象に県内で働く魅力について考えてもらう座談会を県内外で開きます。求人サイトに県内の中小企業の特集ページの掲載を依頼し、県内企業でのインターンシップ(就業体験)のマッチング支援にも取り組みます。Uターン就職の増加に向け、魅力的な職場の確保は不可欠で、企業などと一体となった取り組みが必要になります。

子育て環境の情報発信を強化
 16年の女性1人が生涯に産む子どもの人数を示す「合計特殊出生率」は1・51で、前年と同じでした。県は人口減少対策で合計特殊出生率の向上も重視しています。来年度は育児雑誌に、産前産後ケアセンター利用者の声を掲載したり、子育て情報サイトに第2子以降の3歳未満児の保育料無料化制度など、全国に先駆けて実施した県の子育て支援策に関する情報を掲載する方針です。後藤知事は人口減少対策を進める上で「情報発信が不足している」との認識を示しており、施策を強くPRし子育て世代の県外からの移住につなげたい考えです。

「リンケージ人口」の理解促進も課題
 人口減少対策に関する事業全体を見渡すと、人に働き掛ける取り組みが中心となり、各事業は小粒で新味に欠ける印象は否めません。ただ、一朝一夕に成果を上げることが難しく、地道な取り組みを着実に重ねるしかない課題とも言えます。後藤県政は定住人口を60年時点で75万人にとどめ、交流人口の一部を人口換算した「リンケージ人口」と合算して100万~125万人とする目標を掲げていますが、リンケージ人口をどう算出するのかは曖昧なままで、県民周知も進んでいません。政策効果を把握するためには、検証可能な指標として定着させることが必要です。〈鈴木秀人〉