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「少し前」の正月文化に親しもう
~県立博物館で展示&イベント

2018年01月01日 11時05分
山梨県立博物館の正月イベント会場の一つ。2、3の両日は福笑いやこま遊びなどを楽しむことができる

山梨県立博物館の正月イベント会場の一つ。2、3の両日は福笑いやこま遊びなどを楽しむことができる

甲府の豪商・大木家に送られた明治時代の年賀状(1889,90年)

甲府の豪商・大木家に送られた明治時代の年賀状(1889,90年)

明治時代の甲府の商家や銀行を巡る「甲府繁盛寿語呂久」(1903年)

明治時代の甲府の商家や銀行を巡る「甲府繁盛寿語呂久」(1903年)

甲陽軍鑑をもとに再現された武家の祝いの膳「御三之膳」。アワビやタコ、コイ、キジ、クラゲなどが盛られている

甲陽軍鑑をもとに再現された武家の祝いの膳「御三之膳」。アワビやタコ、コイ、キジ、クラゲなどが盛られている

三枝雲岱の「歳寒三友図扇面」。生命力の強さを示す松竹梅が描かれている

三枝雲岱の「歳寒三友図扇面」。生命力の強さを示す松竹梅が描かれている

早川町奈良田地区で初節句を迎える子どもに贈られた「ツクリモノ」

早川町奈良田地区で初節句を迎える子どもに贈られた「ツクリモノ」

重要文化財の聖徳太子立像(甲府・仁勝寺蔵)。1月29日までの限定公開

重要文化財の聖徳太子立像(甲府・仁勝寺蔵)。1月29日までの限定公開

甲州・放光寺の愛染明王坐像(重要文化財、複製)。弓矢を手にし、災いを鎮める信仰の対象で、新年の平穏を願うのに適している

甲州・放光寺の愛染明王坐像(重要文化財、複製)。弓矢を手にし、災いを鎮める信仰の対象で、新年の平穏を願うのに適している

甲州財閥の一人、若尾逸平が愛用した碁盤。棋譜は囲碁界初の同時七冠保持者となった井山裕太七冠の最後の十段戦のものを再現している

甲州財閥の一人、若尾逸平が愛用した碁盤。棋譜は囲碁界初の同時七冠保持者となった井山裕太七冠の最後の十段戦のものを再現している

 笛吹・山梨県立博物館で、正月にちなんだ資料を集めたテーマ展示「年の初めは かいじあむ」(「かいじあむ」は「甲斐」と「ミュージアム」をかけた同館の愛称)が開かれている。新年にちなんだ歴史資料50点を紹介し、さらに2、3の両日は「かいじあむのお正月」と題したイベントも開催。たこ作り羽子板作り、巨大な百人一首遊び、餅つき体験など多彩な企画が用意されている。山梨の文化に浸りながら正月気分を味わってみてはいかがだろう。〈植松利仁〉

 正月関連の展示品は、説明文に記された「鏡餅」「羽子板」の2種類のマークが目印。山梨の営みを題材にしたジオラマ展示の引き出しにも隠されている。明治時代の年賀状や、甲府の商家や銀行を巡るすごろく「甲府繁盛寿語呂久(すごろく)」、若尾謹之助が書き残した本「おもちゃ籠」など、現代より「少し前」の時代の正月文化に親しむことができる。

◆戌年生まれにスポット

 文書類では、今年のえと「戌(いぬ)」にちなんで、戌年生まれの人物にスポットを当てる。生類憐みの令で知られる「犬公方(いぬくぼう)」こと江戸幕府5代将軍・徳川綱吉や、綱吉の側用人を務めた柳沢吉保、軍学者・山鹿素行、豊臣秀吉を支えた加藤清正に関連する史料が点在する。

 戦国大名武田氏に関する歴史書「甲陽軍鑑」の内容を基に再現した安土桃山から江戸時代にかけての武家の祝いの膳(模型)がずらりと並ぶ。アワビやタコ、タイ、イセエビなど現在のおせち料理に通じる献立も多い。

 絵画類の中で、宗教家・三枝雲岱(現北杜市生まれ)の「歳寒三友図扇面(さいかんさんゆうずせんめん)」(1898年)は松竹梅が描かれている。寒さの中でも緑のままだったり花を付けたりすることから、生命力の強さを示し、めでたさの象徴として挙げられる松竹梅。新年にふさわしい構図となっている。

◆寺社の仏像の公開も

 歌川広重の冨士三十六景「東都駿河町」は、現在の東京都中央区の新年の情景を描いたもの。葛飾北斎の絵本「富岳百景」もあり、浮世絵師らによる初夢の代表格・富士山の姿を見ることができる。

 同館ではシンボル展「よみがえる! 甲府道祖神祭り」が2日に開幕するが、常設展示室にも小正月の伝統行事である道祖神祭りの資料がある。北杜市明野町上神取地区の道祖神飾り「ハイボコサン」や、早川町奈良田地区で初節句を迎える子どもに贈る人形や鉄砲などの木製おもちゃ「ツクリモノ」など、地域ごとの独自文化がうかがえる。

 初詣でにぎわう神社仏閣に関連し、県内寺社の仏像なども公開されている。甲府・仁勝寺の聖徳太子立像(重要文化財)は29日までの限定公開。弓矢を手にした甲州・放光寺の愛染明王坐像(重要文化財、複製)は災いを鎮める信仰の対象で、新年の安泰を願うのにぴったりだ。

◆若尾一平と井上七冠コラボ

 今年は明治改元150年。明治時代に日本の近代化の一翼を担った甲州財閥を取り上げたコーナーも開設。東京の電気事業に携わった若尾逸平(南アルプス市)愛用の囲碁道具は、山梨を代表する実業家の趣味が伝わる品。実はこの展示品、囲碁界初の七大タイトル独占を達成した井山裕太七冠が七冠制覇を果たした一昨年の十段戦の棋譜を再現している。

 同展は2月19日まで(火曜と1月1、9~12日は休館)。絵画資料は会期途中で展示入れ替えがある。

 イベント「かいじあむのお正月」は2、3の両日午前10時~午後3時。おみくじ、福引、書き初め、たこ作り(材料費300円)、百人一首(午前11時、午後2時の2回)、焼きイモのイベントがある。

 日替わりメニューもあり、2日は道祖神祭りのプラバン作り(先着100人)、切り干し大根配布(午後1時から)があり、3日は羽子板作り(先着100人)、餅つき(正午から)、お雑煮試食(午後0時半~午後1時15分、正午から配布する整理券が必要)を行う。