南アルプス市のNPO「かがり火」
重文・安藤家で結婚式計画
小笠原流の作法“再現”
南アルプス市の住民有志でつくるNPO「かがり火」(長沼裕男会長)は10月に、同市西南湖の国指定重要文化財「安藤家住宅」で結婚式を行うことを計画している。地域の文化財を活用して古里の魅力を再発見してもらう試み。同市発祥の小笠原流礼法に従い、座敷で膳(ぜん)を囲む結婚式を“再現”する考えで、挙式希望者を募集する。
同NPOは春仙美術館協力会会長を務める長沼会長らが「地域の文化財を生かしたまちづくりを進めよう」と、七月に設立。地域住民に、古民家での結婚式を見て伝統や文化継承について考えてもらおうと企画した。
式の内容は、同市出身の画家・名取春仙が描き、同協力会が春仙美術館に寄贈した「婚礼風俗史絵図」を参考に計画。新郎宅に見立てた同住宅に、仲人の付き添いで新婦を迎え、夫婦固めの杯を交わす儀式を行い、出席者が祝いの膳を囲む。小笠原流の作法は深沢菱律師範の指導を受け、地域の高齢者が謡曲「高砂」を披露する。
新郎新婦が身に着ける白無垢(むく)などの衣装は、地域住民から寄贈されたものを使用。同住宅近くの集会施設で着付けをした新婦を、人力車で同住宅まで送り届けるなどの趣向を凝らし、料理は同住宅に伝わる品書きを基に再現する。
十月下旬をめどに一回目の結婚式を行う計画で、県教委などと施設利用の打ち合わせを進めている。式の様子は庭から自由に見学できるようにする。費用は一回につき、着付けや食事代などで約六十万円程度の実費がかかる見込み。順調にいけば年に四回程度式を行う予定で、今後、ホームページを立ち上げるなどして希望者を募集していく考えだ。長沼会長は「素朴だが温かみのある昔ならではの結婚式を再現したい」と話している。
山梨日日新聞 2005年(平成17年) 09月12日
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