舞鶴城公園天守台、県が補修に着手
石垣景観守り伝統工法
積み直し避け、すき間に石

県は甲府・舞鶴城公園(甲府城)で、老朽化が進んでいる天守台の石垣補修に乗り出した。400年間受け継がれてきた築城時の石垣の景観を後世に残すため、傷んだ石垣を保護しながら伝統的な工法で補修する。文化財である石垣の安全対策はこれまで、解体して積み直すか、立ち入り禁止にするなどの措置がとられており、石垣景観を守りながらの補修工事は全国でも例のない試みだという。
補修工事をするのは、天守台東側の一面約三百三十平方メートル。約四百年前の築城期のもので、自然石をバランス良く配置した「野面(のづら)積み」という工法で積まれている。しかし、年月を経て石がひび割れたり、はみ出したりしている部分がある。すき間の詰め石の抜け落ちも目立ち、空洞化すると崩れる危険もあるという。
工事では、石垣のすき間に詰まった泥などを取り除き、傷んだ原因を調査しながら、緩んだ石をたたいて安定させ、すき間に石を詰め直す。一部の傷んだ石を新しい石材に替えることはあるが、景観はほとんど変えずに補修・補強する。工事は十月上旬まで。
県は一九九○年からの舞鶴城公園整備事業で、特に修復が必要な個所は石垣を解体し、伝統工法で積み直す改修工事を行ってきたが、新たな石の多用に疑問が投げ掛けられたこともあった。天守台は一部を除いてほとんど手を付けていない。
文化財としての石垣の安全対策として国は、傷みがひどい場合は解体して伝統工法で積み直すのを基本としているが、現状で安定している石垣を補修して長持ちさせるための管理法は具体的な方針を示していない。
こうした中で、県土木部と県教委は「解体して積み直す以外に長持ちさせる対策ができないか」と、石垣改修工事で得られたデータを基に整備方法を探り、今回の工法を採用することにした。
県埋蔵文化財センターによると、江戸時代には甲府城の石垣修改築工事の記録があり、ほかの藩には「石積方」という役職があるため、城の石垣について過去に何らかのメンテナンスをしてきたと推定されるという。
このほか、甲府城跡保存活用等調査検討委員会で「早急な対策が必要」と指摘された未改修の石垣の中には、石垣上に載った建物などが傷みの原因となっている個所もあり、県は「長期的に対応を検討したい」としている。
(写真)
甲府城天守台東側の石垣。伝統的工法に沿いながら補修する=甲府・舞鶴城公園
山梨日日新聞 2005年(平成17年) 09月10日
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