2005年09月01日 第83号


ズームアップ
92歳、“念願”の北岳登頂
小林喜一さん



 甲府市塩部四丁目の小林喜一さん(92)は八月、南アルプスの北岳(標高三、一九三メートル)登山に挑戦し、約十時間かけて山頂に立った。九十代という高齢ながら、「山は大好き。これからも続けたい」と意気込んでいる。

 大月市笹子町出身で、家の畑が「ひと山向こうにあり、手伝いでよく山に出掛けた」ため「山は身近な存在だった」。「山を登るというより、散歩感覚だったと思う」と振り返る。二十歳になってから趣味で市内の山を登り始めた。

 甲府に移り住んだのは二十年前で、それ以来「甲府盆地を囲んでいる山は、ほとんど制覇したんじゃないか」と言う。ただ北岳は登ったことがなく、長年の“懸案”でもあった。

 北岳登山は八月一日から二日にかけて、家族四人で挑んだ。「登り始めは正直つらかったけれど、鮮やかな高山植物や眼下の甲府盆地を囲む山々を見ているうちに、疲れも吹っ飛んだ」と登山時の状況を振り返る。

 現在も健康づくりの一環として、農作業に励んだり、片道約四キロの湯村山に登ったりしている。「登りたい山は無数にあるからね」と話すように、常に次の目標を掲げながら達成しようと取り組む強い意思が、かくしゃくとしたまま長生きする秘訣(ひけつ)のようだ。

山梨日日新聞  2005年(平成17年) 08月24日


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