山梨日日新聞 web版 みるじゃん  



紙面掲載日 2007/8/1
〜「ときめきゾーン キャンパス」〜
大学、短大、専門学校の学生たちを紹介する連載です。
このほかサークル紹介なども載っています。
佐治麻希さん(身延山大3年)作の「つるのいのり」出版
「原爆の子」の祈り伝え続けたい
点字や朗読CD付ける
 佐治さんは、小学2年で訪れた広島平和記念資料館の小さな折り鶴に興味を持ち、折り鶴の作者で平和記念公園内の「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子さんについて調べた。被爆した禎子さんは白血病を患い、回復を願って病床で鶴を折り続けたが、12歳の若さで亡くなった。
 「多くの人に禎子さんのことを知ってもらいたい」一心で6年の時に紙芝居を作り、中学に入ると、平和記念公園を毎年訪れて読み聞かせを続けた。身延山高2年の時に紙芝居を元に絵本を制作。視覚障害者にも分かるように点字を添え、高校生新聞文芸コンクールで最高賞を受賞した。現在も小中学校などを訪れて、戦争の愚かさや命の尊さを伝えている。

■禎子さんの一面知る
 出版は同新聞社から持ち掛けられ、迷わず引き受けた。製本に当たって佐治さんは今年初め、福岡に住んでいる禎子さんの兄・雅弘さん(66)を訪ねた。
 編集者として協力してくれることになった雅弘さんから聞かされたのは、「病気でも、家族に心配させてはいけないと笑顔を見せる思いやりのある子だった」「少しでも長く生きるため、モルヒネは最後まで拒否した」など、これまで知らなかった禎子さんの一面だった。
 「苦しくても生きる望みを最後まで捨てずに優しかった少女の命まで奪ってしまうのが戦争。そして、今でも遺族の心の傷は癒えない」。佐治さんは、禎子さんをあらためてふびんに思い、戦争を風化させないために読み聞かせを続けることを心に誓った。この夏も、広島へ向かうつもりだ。

■余白に「メッセージ」
 挿絵は手作りした絵本のものを生かし、読み聞かせを通じて知り合った京都府内の住職の協力により制作した朗読CDを付けた。初版は200冊だが、読み聞かせをした小学校などから反響があり急きょ500冊を増刷した。
 今回の絵本には、文章以外にちょっとした「メッセージ」を込めた。ページの余白に載せた、折り鶴の作り方だ。禎子さんが願っていただろう平和のために、みんなで鶴を折ってもらうために…。


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